
実際に香り纏う前に香りの性質を知っておく必要があります。
それは香りの特性を知らないと付け方も知らずに、香水を纏う本来の魅力を知らないままただ香りをつけているだけになります。
香りの事を知らないと、キツイと感じさせたり、相手に不快を与える理由にもつながります。
香水がキツイのではなく付け方が影響しています。

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特に、日本では、協調する文化」が根付いているため「香水の付け方」を気にする方が多くいるようです。「香水はキツイから好きではない」「付けすぎてしまい、歩いた足跡のように香りが残っている」
「自分も強く感じてないかな?」「不快に感じさせてないかな?」と思ったことはありませんか。
それは、香水=キツイのではなく、香りの性質を知らずに付けているが理由です。
人で例えると、相手がどういう人なのか理解していればどのように付き合うべきかなど考えますよね。商品も説明書があってどういう使い方をするのかを理解したり、説明書を見なくても付き合いながら、理解しようとしますよね。
香りを纏う上で必ず必要なのは、「香り」を知ることが必要になります。そこで付ける上での基本的な2つの特徴をご紹介します。
①香りが移り変わる理由は香りの性質にあります。

香りは「揮発性」と呼ばれる性質があります。簡単に言うと香りの持続性と関係しております。
よくTOPノート、MIDDLEノート、LASTノートというのを聞いたことはありませんか。
TOPノートに分類される香りは持続性が低く、LASTノートになるにつれ持続性が高くなります。
香りは揮発性の性質や種類によって分類され、それぞれ香水の役割も異なるのです。
そして香りが移り変わる特性ともいえます。
TOPノート・・・香りを嗅いだときに最初に感じられる香りで、強く印象に残るファーストインパクトの部分。
MIDDLEノート・・・香りの中心核の部分でその香水のイメージが最も現れる部分。
LASTノート・・・香りのベースになる部分で香りの深みを感じられる部分。
例えば、オレンジやレモンなどの柑橘類と呼ばれるシトラスノートはTOPノートの部分
ローズやスズランなどのお花、フローラルノートと呼ばれるのはMIDDLEノートの部分。
ヒノキや白檀などの木々、ウッディーノートと呼ばれるのは、LASTノートの部分です。
説明文から香りを読み取ってみることも!

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ただし、商品の紹介の仕方によって、ローズやジャスミンなどのフローラルと呼ばれている香りがTOPノートに記載されていることもあります。
例えば、以前もご紹介したChloe Eau de Parfum。香りの構成は
TOPノート:シャクヤク、ライチ、フリージア
MIDDLEノート:マグノリア、スズラン、ローズ
LASTノート:アンバー、シダーウッド
と紹介されています。
トップノートに記載があるシャクヤクやフリージアフローラルノートで本来はMIDDLEノートの香料に分類されます。そのため持続性が低いとは限りません。
その他いろんな香水説明文をみてみると、香料でのグループ分けをされているのではなく、香りを感じやすいタイミングで記載されているのと解釈しています。また上記例でみてみると、7つの香料が書いてありますが、実際はそれ以上の香料も使用されております。特徴がある香りをわかり易くしているのです。
香水の移り変わりを肌で楽しむものです。

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しかし、似たような香料を使用しているからといって同じような香りというのわけではありません。
どこを強調させているのか・それぞれの香料のバランスが異なります。
香水は1つの作品から3段階の表情があるといえます。音楽の章のように。
香水は多くの種類の香りが集まり一つの香りになっています。揮発性という特性から、香りの種類によって香り立ちが異なり、香りが移り変わり、香水の表情を豊かにします。よく香りが変化してしまうという声もありますが、香水の香りが変化するのも一つの魅力です。
香りを試すときは、付けたときの香り。2-3時間後の香り。4時間以降の香りを試してみていただくことをオススメします。
そして、揮発性は下から上に広がる性質です。parfumの語源となる「煙を通して」の煙をイメージするとわかりやすいでしょう。鼻から遠い下半身につける理由もそこにあります。
そして湿度と気温と関係します。湿度や温度が高くなると鼻の粘膜が潤うため、同じ分子が漂っていても通常より強く感じることがあります。そのため湿気が多い梅雨の時期、あるいは気温が高い夏は強く感じ、乾燥して気温の低い冬と比べると香り立ちが異なります。また香水は肌に身につけるものであり、体温も同様です。脈どころは温度が高いため香りが立ちやすいと言えます。
そのため、手首、首筋に香水をつける仕草は脈どころが分かりやすくかつ鼻から近い位置にあるため、「香りをつけた」しっかり認識できるからだと思います。
香水は実際に自分自身の肌に乗せ、直感で感じたままに。時間をかけて香りと付き合うことが大切です。